prologue

 なにかを、あたまにぶつけられて目が覚めた。

…………。

私は知らない場所にいた。
確かスリープに入る前は
なじみの研究所のベッドにいたはずなんだけど。


見まわす。 


どっちを向いても、木と、土と、壊れた機械ばかり。
森?廃墟?
居住スペースらしきものはない。



起き上がろうとして、
私の頭に宝石みたいなものが
くっついていることに気がついた。


……これは……?

たぶん、制御用のデバイス、だと思う。
これを使えば、えねるぎーを無線ラインで供給して、
壊れた機械も動かせる、…みたいな機能なのかな。


じまんじゃないけど、試作品の稼働実験に付き合った回数は
地上じゃわたしがナンバーワンだ。

機械だったらだいたいのものの使い方はなんとなくわかる。
火器はデバイスが全部壊れて使えなくなっちゃったけど。


誰かの落とし物かな。

……だったら、困ってるだろうな。

 たぶんこれ、私がいた研究所じゃ
100年かかっても作れるかどうかって代物だし。


 私はそう思って、落とし主を探しに行くことにした。

研究所の外はこれが初めてだったけど
怖いなんて言い訳はしない。


困っている人を助けるために
困難と戦うために私という兵器は作られて、

私は、まだここに存在するのだから。

  East 2367 als//////