■一通のメール
これは任務でもなく、命令でもない。 さらに私は貴方に何者であるかを明かす事すら出来ない。 故に、あまりにも心細い、 こんな『お願い』しかできないが。 ―――救って頂けないだろうか。この世界を。 空の切り札、対地殲滅兵器。 地上の切り札、対空殲滅兵器。 …それらの危険性は、創り手の予想を遥かに超える。 どちらか一方でも放たれた時、世界の全ては破壊しつくされてしまうだろう。 両方を止めない限り、この世界に未来はない。 …私には、それがどうすれば可能なのか、 その想像すらできない…が…… それでも、私が知る通りの貴方なら。 私の願いを聞き入れ、 なんとかしてくれると信じている。 from:No_name to:クラリーノ -Clarino- title:世界への脅威と貴方へのお願い |
このメールを受け取った際のクラリーノは、
並の犯罪者以上に厳重な監視下に置かれていた。
それこそ、差出人不明で胡散臭い内容のメールが、
監視者に気づかれずに届くなど、絶対あり得ない程度には。
copyright (C) 2009 DAISESSEN ALL Rights Reserved