■一通のメール    



これは任務でもなく、命令でもない。

さらに私は貴方に何者であるかを明かす事すら出来ない。

故に、あまりにも心細い、

こんな『お願い』しかできないが。

―――救って頂けないだろうか。この世界を。



空の切り札、対地殲滅兵器。

地上の切り札、対空殲滅兵器。

…それらの危険性は、創り手の予想を遥かに超える。

どちらか一方でも放たれた時、世界の全ては破壊しつくされてしまうだろう。

両方を止めない限り、この世界に未来はない。



…私には、それがどうすれば可能なのか、

その想像すらできない…が……

それでも、私が知る通りの貴方なら。

私の願いを聞き入れ、

なんとかしてくれると信じている。

               from:No_name
               to:クラリーノ -Clarino-
               title:世界への脅威と貴方へのお願い


このメールを受け取った際のクラリーノは、
並の犯罪者以上に厳重な監視下に置かれていた。
それこそ、差出人不明で胡散臭い内容のメールが、
監視者に気づかれずに届くなど、絶対あり得ない程度には。


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